あきらめろというが
あきらめろと云うが

冒頭文

かの女を 人は あきらめろと云うが おんなを 人は かの女だけでないと云うが おれには 遠くの田螺(たにし)の鳴声まで かの女の歌声にきこえ 遠くの汽車の汽笛まで かの女の溜息にきこえる それでも かの女を 人は あきらめろと云う

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 竹内浩三全作品集 日本が見えない 全1巻
  • 藤原書店
  • 2001(平成13)年11月30日