ぜにがたへいじとりものひかえ 233 おにのめん
銭形平次捕物控 233 鬼の面

冒頭文

一 「親分、良い新造(しんざう)が來たでせう。かう小股(こまた)のきれ上がつた、色白で、ポチヤポチヤした」「馬鹿野郎」 錢形平次は思はず一喝(かつ)を食はせました。上がり框(かまち)から這ひ込むやうに、まだ朝の膳も片付かない茶の間を覗きながら八五郎は途方もないことを訊くのです。 「でも、あんな可愛らしいのはちよいと神田中にもありませんよ、あつしが知らないくらゐだから。餘つ程遠くから來たに違げえね

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「サンデー毎日」1950(昭和25)年6月4日号~25日号

底本

  • 錢形平次捕物全集第三十卷 色若衆
  • 同光社
  • 1954(昭和29)年8月5日