ぜにがたへいじとりものひかえ 211 とおめがねのとのさま
銭形平次捕物控 211 遠眼鏡の殿様

冒頭文

一 「へツへツ、へツ、へツ、近頃は暇で〳〵困りやしませんか、親分」「馬鹿だなア、人の面(つら)を見て、いきなりタガが外れたやうに笑ひ出しやがつて」 江戸の名物男——捕物の名人錢形平次と、その子分の八五郎は、どんな緊張(きんちやう)した場面にも、こんな調子で話を運んで行くのでした。 「でも、錢形の親分ともあらう者が、日向(ひなた)にとぐろを卷いて、煙草の煙を輪に吹く藝當に浮身をやつすなんざ天下泰平

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「旬刊ニュース 増刊第3号」東西出版社、1948(昭和23)年11月1日

底本

  • 錢形平次捕物全集第二十八卷 遠眼鏡の殿樣
  • 同光社
  • 1954(昭和29)年6月25日