ぜにがたへいじとりものひかえ 208 あおせんとかぎ
銭形平次捕物控 208 青銭と鍵

冒頭文

一 「親分、良い天氣ですぜ。チラホラ梅は咲いてゐるし、お小遣はフンダンにあるし——」「嘘をつきやがれ。梅の咲いたのは俺だつて知つてゐるが、八五郎の財布(さいふ)にお小遣がフンダンにあるわけはないぢやないか」 錢形平次と子分の八五郎は相變らずの調子で始めました。 「なアに、お小遣のフンダンにあるのは親分の財布で——」「あれ、人の財布の中まで讀みやがつて、氣味の惡い野郎だな」「そこで、ちよいと御輿(

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「宝石」1949(昭和24)年

底本

  • 錢形平次捕物全集第二十七卷 猿蟹合戰
  • 同光社
  • 1954(昭和29)年6月10日