ぜにがたへいじとりものひかえ 201 すずみぶね |
| 銭形平次捕物控 201 凉み船 |
冒頭文
一 兩國橋を中心に、大川の水の上にくり擴(ひろ)げられた夏の夜の大歡樂の中を、龜澤町の家主里見屋吉兵衞の凉み船は、上手へ、上手へと漕いで行きました。 船は大型の屋形で、乘つて居るのは主人吉兵衞、娘お清、養子の喜三郎、番頭周助、それにお長屋の衆が五六人野幇間(のだいこ)の善吉に、藝者が二人、船頭が二人、總計十四人といふ多勢で、三味と太鼓の大狂躁曲に、四方(あたり)の船を辟易(へきえき)させ乍ら
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「オール讀物」文藝春秋新社、1949(昭和24)年8月号
底本
- 錢形平次捕物全集第二十六卷 お長屋碁會
- 同光社
- 1954(昭和29)年6月1日