ぜにがたへいじとりものひかえ 123 やとりむすめ
銭形平次捕物控 123 矢取娘

冒頭文

一 「親分、折角こゝまで來たんだから、ちよいと門前町裏を覗いて見ませうか」 錢形平次と子分の八五郎は、深川の八幡樣へお詣りした歸り、フト出來心で結改場(けつかいば)(揚弓場)を覗いたのが、この難事件に足を踏込む發端でした。 「何んだ、こゝまで俺を引張つて來たのは、信心氣かと思つたら、そんな企(たくら)みだつたのかい」「でもね、親分、揚弓は惡くありませんよ。第一心持が落着いて、腹が減つて、武藝のた

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋社、1941(昭和16)年7月号

底本

  • 錢形平次捕物全集第二十四卷 吹矢の紅
  • 同光社
  • 1954(昭和29)年4月25日