ぜにがたへいじとりものひかえ 166 はなみのはて
銭形平次捕物控 166 花見の果て

冒頭文

一 菊屋傳右衞門の花見船は、兩國稻荷の下に着けて、同勢男女十幾人、ドカドカと廣小路の土を踏みましたが、 「まだ薄明るいぢやないか、橋の上から、もう一度向島を眺め乍(なが)ら、一杯やらう」 誰やらそんなことを云ふと、一日の行樂をまだ堪能(たんのう)し切れない貪婪(どんらん)な享樂追及者達は、 「そいつは一段と面白からう、酒が殘つて居るから、瓢箪(へうたん)に詰めて、もう一度橋の上に引返さう、人

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「オール讀物」文藝春秋新社、1947(昭和22)年2月号

底本

  • 錢形平次捕物全集第十九卷 神隱し
  • 同光社磯部書房
  • 1953(昭和28)年11月5日