ぜにがたへいじとりものひかえ 149 ゆいごんじょう
銭形平次捕物控 149 遺言状

冒頭文

一 柳原の土手下、丁度御郡代(おぐんだい)屋敷前の滅法淋しい處に生首(なまくび)が一つ轉がつて居りました。 朝市へ行く八百屋さんが見つけて大騷ぎになり、係り合ひの町役人や、彌次馬まで加はつて搜した揚句(あげく)、間もなく首のない死骸が水際の藪(やぶ)の中から見つかり、それが見知り人があつて、豊島町一丁目で公儀御用の紙問屋越前屋(ゑちぜんや)の大番頭清六と判つたのは、大分陽が高くなつてからでし

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「文藝讀物」文藝春秋社、1943(昭和18)年10月号

底本

  • 錢形平次捕物全集第十八卷 彦徳の面
  • 同光社磯部書房
  • 1953(昭和28)年10月20日