ぜにがたへいじとりものひかえ 147 しまのさいふ |
| 銭形平次捕物控 147 縞の財布 |
冒頭文
一 「親分、元飯田町の騷ぎを御存じですかえ」「何んだい、元飯田町に何があつたんだ」 ガラツ八の八五郎がヌツと入ると、見通しの縁側に踞(しやが)んで、朝の煙草にして居る平次は、氣の無い顏を振り向けるのでした。 江戸中に諜報(てふはう)の網を張つて居る順風耳の八五郎は、毎日下つ引が持つて來る夥(おびたゞ)しい事件の中から、モノになりさうなのを一應調べて親分の錢形平次に報告するのです。 「なアに、
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「オール讀物」文藝春秋社、1943(昭和18)年8月号
底本
- 錢形平次捕物全集第十七卷 權八の罪
- 同光社磯部書房
- 1953(昭和28)年10月10日