ぜにがたへいじとりものひかえ 266 おとめしんせい
銭形平次捕物控 266 処女神聖

冒頭文

一 本郷妻戀町(つまごひちやう)の娘横丁、——この邊に良い娘が多いから土地の若い衆が斯んな名で呼びましたが、何時の間にやら痴漢(ちかん)が横行して、若い娘の御難が多く、娘受難横丁と言ふべきを省略して娘横丁と、其儘の名で呼び慣はしました。 其路地の眞ん中に、血だらけの男が一人、大の字になつて引つくり返つて居たのです。見付けたのは毎朝聖堂に通ふ、儒生(じゆせい)の吾妻屋丹三郎、若旦那崩れで、身體

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「讀物と講談」1951(昭和26)年10月号

底本

  • 錢形平次捕物全集第三卷 五月人形
  • 同光社磯部書房
  • 1953(昭和28)年4月20日