ぜにがたへいじとりものひかえ 246 まんりょうぶげん
銭形平次捕物控 246 万両分限

冒頭文

一 「世の中に何が臆病(おくびやう)と言つたつて、二本差の武家ほど氣の小さいものはありませんね」 八五郎はまた、途方もない哲學(てつがく)を持ち込んで來るのです。 「お前の言ふことは、一々調子ツ外れだよ、武家が臆病だつた日にや、こちとら年中腰を拔かして居なきやなるまい」 平次は大して氣にも留めない樣子でした。障子を一パイに開けると、建(た)て混んだ家並で空はひどく狹められて居りますが、一方から明

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「サンデー毎日」1951(昭和26)年1月28日号~2月11日号

底本

  • 錢形平次捕物全集第三卷 五月人形
  • 同光社磯部書房
  • 1953(昭和28)年4月20日