ぜにがたへいじとりものひかえ 262 あやのつづみ
銭形平次捕物控 262 綾の鼓

冒頭文

一 「親分の前だが、女日照(ひでり)の國には、いろんな怪物(えてもの)がゐるんですね」 八五郎がまた、親分の平次のところへ、世上の噂を持込んで來ました。江戸八百八町にバラ撒(ま)かれてゐる下つ引や手先から集まつた資料が、八五郎の口から、少しばかり誇張されたり潤色(じゆんしよく)されたり、面白可笑しく編輯されて、平次の耳へ傳わつて來るのです。 「女旱魃(ひでり)の國てえのは何處だえ、——まさか傳馬

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「講談倶樂部」1951(昭和26)年2月号

底本

  • 錢形平次捕物全集第二卷 白梅の精
  • 同光社磯部書房
  • 1953(昭和28)年4月5日