ぜにがたへいじとりものひかえ 286 びなんばんづけ |
| 銭形平次捕物控 286 美男番附 |
冒頭文
一 「親分、ウフ、可笑しなことがありましたよ、ウへ、へ、へツへツ」 ガラツ八の八五郎が、タガの弛(ゆる)んだ桶(をけ)のやうに、こみ上げる笑を噛みしめ噛みしめ、明神下の平次の家に入つて來ました。 「冗談ぢやない、人の家へゲラゲラ笑ひ乍ら入つて來やがつて、水をブツ掛けて、酒屋の赤犬をけしかけるよ」「怒らないで下さいよ、あつしはまた、可笑しくて可笑しくて、横つ腹の筋がキリキリするほど笑つてゐるのに、
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「讀切小説集」1952(昭和27)年10月捕物祭
底本
- 錢形平次捕物全集第二卷 白梅の精
- 同光社磯部書房
- 1953(昭和28)年4月5日