萩原朔太郎 二十年の友。性格、趣味、生活、一つとして一致しないが、会へば談論風発して愉快である。それに僕といふ人間を丁寧に考へてゐて何時も新しい犀星論をしてくれるが、萩原自身からいふと室生はおれを分つてゐないといふ。どうもそれは本統らしい。萩原のことを小説に書いて叱られたこともなければ、ほめられたこともない、僕は書きすぎて一人の親友に済まぬ許してくれといふ気持でゐることがある。ところが彼の論文や