げんしかくたんきゅうのおもいで
原子核探求の思い出

冒頭文

湯川君の受賞 昭和二十四年十一月四日の諸新聞は、湯川秀樹博士が中間子の研究により、十二月十日ノーベル賞を受けらるゝ決議が、ストックホルム學士院で通過したことを傳えた。學界はもちろん日本國民は、この吉報に對して歡喜の聲を發せざるものはなかつたろう。 由來ノーベル賞は、世界で優秀な科學研究を蒐集檢討して授與するものであつて、研究としては粹の粹なるものを選拔するにより、賞を受くるもの

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「科學朝日」1950(昭和25)年1月

底本

  • 長岡半太郎隨筆集 原子力時代の曙
  • 朝日新聞社
  • 1951(昭和26)年6月20日