ゆきぐにのはる
雪国の春

冒頭文

自序 二十五、六年も前からほとんど毎年のように、北か東のどこかの村をあるいていたが、紀行を残しておきたいと思ったのは、大正九年の夏秋の長い旅だけであった。それを『豆手帖から』と題して東京朝日に連載したのであったが、どうも調子が取りにくいので中ほどからやめてしまった。 再び取り出して読んでみると、もうおかしいほど自分でも忘れていることが多い。いま一度あのころの気持になって考えてみ

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 雪国の春
  • 角川文庫、角川学芸出版
  • 1956(昭和31)年7月30日