てつがくとてつがくし
哲学と哲学史

冒頭文

一 哲學の研究に入るに當つて、人生問題其他の實踐的動機よりするものは暫く之を省き、單に其の理論的關心よりするものに就て考察すれば、其中に於て大體二樣の方向を區別し得ると思ふ。一は科學研究と關聯するもので、一は哲學史より入るものである。科學研究との關係にも又二種の別がある。或る科學原理を擴張して哲學原理とし、若しくは其原理より類推して或る哲學原理を構成するが如く、直接に科學から哲學に移り行くもので

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「井上先生喜壽記念文集」冨山房、1931(昭和6)年12月15日

底本

  • 井上先生喜壽記念文集
  • 冨山房
  • 1931(昭和6)年12月15日