まつのかげ
松の影

冒頭文

何百年のその間村の境に立ってゐる一本松の松の影今はだん〳〵枯れて来て「かうまではかなく成ったか」と空をあふいで一人言「この私が生れたは 丁度今からかぞへたら 六百年の其の昔 あちらの村の庄屋さん こゝへ私を植えたので 何百年のその間 こゝにかうして居たのだが 始は小さい松の影 だん〳〵大きく成って来て 二つの村の人々が 一日たんぼで働いた つかれをいやす松の

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 槇村浩全集
  • 平凡堂書店
  • 1984(昭和59)年1月20日