おどりこのしゅっせ
おどり子の出世

冒頭文

或所に一人のおどり子がありました。大へんおどる事が上手でした。或日お父さんに向って「お父さん、私はこれから月世界をまはって来たいと思ひます、どうかやって下さい」と云ひますとお父さんは「よし〳〵では行ってこい」といひます、おどり子は大さう喜んで「では行って参ります」と北をさして出かけました。だん〳〵行きますと、にぎやかな都へ来ました。田舎育ちのおどり子はこの有様に全くおどろいてしまひました。少し向ふ

文字遣い

新字旧仮名

初出

底本

  • 槇村浩全集
  • 平凡堂書店
  • 1984(昭和59)年1月20日