にばんめのむすめ |
| 二番めの娘 |
冒頭文
毎年(まいねん)のように、遠(とお)いところから薬(くすり)を売(う)りにくる男(おとこ)がありました。その男(おとこ)は、なんでも西(にし)の国(くに)からくるといわれていました。 そこは、北国(ほっこく)の海辺(うみべ)に近(ちか)いところでありました。 「お母(かあ)さん、もう、あの薬売(くすりう)りの小父(おじ)さんがきなさる時分(じぶん)ですね。」と、二番(ばん)めの女(おんな)の
文字遣い
新字新仮名
初出
「少女倶楽部」1925(大正14)年12月
底本
- 定本小川未明童話全集 4
- 講談社
- 1977(昭和52)年2月10日