ねずみとバケツのはなし
ねずみとバケツの話

冒頭文

町裏(まちうら)を小(ちい)さな川(かわ)が流(なが)れていました。川(かわ)というよりは、溝(みぞ)といったほうがあたっているかもしれません。家々(いえいえ)で流(なが)した水(みず)が集(あつ)まって、一筋(ひとすじ)の流(なが)れをなしているのでありました。 ねずみは、その流(なが)れの岸(きし)に穴(あな)を掘(ほ)って、もう長(なが)い間(あいだ)、そのところにすんでいました。ほかの

文字遣い

新字新仮名

初出

「赤い鳥」1925(大正14)年7月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日