きょうだいのやまばと
兄弟のやまばと

冒頭文

「お母(かあ)さん。これから、また寒(さむ)い風(かぜ)が吹(ふ)いてさびしくなりますね。そして、白(しろ)く雪(ゆき)が野原(のはら)をうずめてしまって、なにも、私(わたし)たちの目(め)をたのしませるようなものがなくなってしまうのですね。なんで、お母(かあ)さんは、こんなさびしいところにすんでいたいのでしょうか。」と、子(こ)ばとは、母親(ははおや)に向(む)かっていいました。 いままで輝(か

文字遣い

新字新仮名

初出

「教育の世紀 4巻1号」1926(大正15)年1月

底本

  • 定本小川未明童話全集 4
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年2月10日