『うばすて』あとがき
『姥捨』あとがき

冒頭文

所收——「葉」「列車」「I can speak」「姥捨」「東京八景」「みみづく通信」「佐渡」「たづねびと」「千代女」 この短篇集を通讀なさつたら、私の過去の生活が、どんなものであつたか、だいたい御推察できるやうな、そのやうな意圖を以て編んでみた。ひどい生活であつたが、しかし、いまの生活だつてひどいのである。さうして、これから、さらにひどい事になりさうな豫感さへあるのである。 卷

文字遣い

旧字旧仮名

初出

「姥捨」ポリゴン書房、1947(昭和22)年6月10日

底本

  • 太宰治全集11
  • 筑摩書房
  • 1999(平成11)年3月25日