ほしょうせん
歩哨戦

冒頭文

悪検閲制度をぶっ潰せ 検閲制度改正期成同盟万歳 労働者農民万歳 残虐の限りを尽し暴圧の嵐は絶えず吹き続け 遂に俺達の言葉迄奪った奴等 哀れな奴等の迫害だ 哀れな奴等の猿轡(さるぐつわ)だ 首を締めつける彼奴等の顔へ憫笑の一瞥を投げて 野火の如く囂(ごう)々と拡がり行くではないか 俺達の火の手 真赤な火の手 虫けらの如く無残にも抹殺され 空しく屍を曝す幾千の言葉

文字遣い

新字新仮名

初出

「文芸戦線」1929(昭和4)年6月号

底本

  • 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
  • 新日本出版社
  • 1987(昭和62)年6月30日