しぬるまでとちをまもるのだ
死ぬる迄土地を守るのだ

冒頭文

会場にはぎっしり聴衆がつめていた。 群集は二時間も前から押しよせた。 子供もいた女もいた老人もいた 青年達が警備した。 場外にはなお聴衆が溢れていた 「帰れ」顎紐(あごひも)が号令する—— だが顎紐糞喰えだ—— 組合の弁士の演説をきかないで誰がおめおめ帰れるか 今日の演題を見ろ 僧侶やブルジョアの学校のような俺達に縁遠い事ではない—— 俺達の生活についての話だ ——食えない俺

文字遣い

新字新仮名

初出

「プロレタリア」1930(昭和5)年12月号

底本

  • 日本プロレタリア文学集・39 プロレタリア詩集(二)
  • 新日本出版社
  • 1987(昭和62)年6月30日