あるいんばいふにおくるし
或る淫売婦におくる詩

冒頭文

女よおんみは此の世のはてに立っているおんみの道はつきているおんみはそれをしっているいまこそおんみはその美しかった肉体を大地にかえす時だ静かにその目をとじて一切を忘れねばならぬおんみはいま何を考えているかおんみの無智の尊とさよおんみのくるしみそれが世界(よ)の苦みであると知れああそのくるしみによって人間は赦されるおんみは人間を救ったおんみもそれですくわれたどんなことでもおんみをおもえばなんでもなくな

文字遣い

新字新仮名

初出

「感情」1917(大正6)年9月号

底本

  • 日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
  • 新日本出版社
  • 1987(昭和62)年5月25日