やぶれてかえるおれたち
敗れて帰る俺達

冒頭文

涙は頬っぺたで乾いた怒りは胃の底によどんだにがいにがい空っぽの胃の底に。俺達は負けた、おお負けてしもうた。俺達は負けた!おお此の歩いて帰る足の重さよ。憶えて置こうぞ、此の足の重さ聞いて呉れよ、しょびいて行かれた伜よ冷たい監房の壁の側でなうなだれて帰る親父の足音をよ。お前のおふくろが咳に攻められて寝てる暗い家まで半里だ。青い空に赤い旗のビラビラなびくモスコー迄は五千里だ。拳の指からにじみ出る血をこの

文字遣い

新字新仮名

初出

「戦旗」1929(昭和4)年3月号

底本

  • 日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
  • 新日本出版社
  • 1987(昭和62)年5月25日