ひつぎのうしろから
棺の後ろから

冒頭文

1 爺さん、立上れ!お前はそっちを担いでくれ、俺はこっちを担ぐ泣くな、爺さん、これがどうしたと言うんだ?死んだんだ、死んだだけだそして死ぬと言う事は死ぬことだ——「お粥でいいから、ねえ、食べさして」と彼奴が言った時に、お粥はおろか、のりも無かったことだ。「薬を差上げるからおいでなさい」と医者が言った時に俺とお前の空の財布が叫び声を立てたと言うことだ。一番しまいの息を引取る時に、彼奴の咽喉(のど)

文字遣い

新字新仮名

初出

「戦旗」1928(昭和3)年7月号

底本

  • 日本プロレタリア文学集・38 プロレタリア詩集(一)
  • 新日本出版社
  • 1987(昭和62)年5月25日