げんごとぶんかし ――アイヌぶんかのたんきゅうにあたりて――
言語と文化史 ――アイヌ文化の探求にあたりて――

冒頭文

私は昨年の秋、当地に開かれた文化講座において、アイヌ民族は北方から渡来した民族であり、その渡来の経路は恐らくカムチャツカ方面から千島列島を南下して北海道へ渡り、その一分派は太平洋沿岸を南下して釧路、十勝の浜伝いにエリモの崎を越えて日高のシズナイの辺まで進み、また他の一派はオホーツク海に沿うて北上し、宗谷から一つの分派を樺太に送り、他の一分派は日本海沿岸を南下して、ユーラップ、オシャマンベの辺で二つ

文字遣い

新字新仮名

初出

「北海道先史学十二講」北方書院、1949(昭和24)年11月

底本

  • 和人は舟を食う
  • 北海道出版企画センター
  • 2000(平成12)年6月9日