ながれゆくれきしのどうりょく
流れ行く歴史の動力

冒頭文

諸君、私は二ツの道と題して置きましたが、二ツの道とは何であるか、それはこの社会、世の中の進歩に就て確かに二ツの道があるというのであります。社会の種々なる現象は絶えず動いており、その流転し動揺し行くのが即ち歴史であるが、この流転動揺は如何(いか)にして起るものであるか、歴史進展の動力如何という事に就いて一面の観察を為して見たい。私のこれより述べようとする事は決して歴史発達の道程における全観察ではない

文字遣い

新字新仮名

初出

「青年雄辯 五ノ二」1920(大正9)年2月

底本

  • 津田左右吉歴史論集
  • 岩波書店
  • 2006(平成18)年8月17日