ロビンソン・クルソオ じょにかうるかいわ |
ロビンソン・クルソオ (序に代ふる会話) |
冒頭文
人物 主人 客 譯者 場所 主人の書齋。主人と客と對坐せるところへ、譯者登場。 主人。暫くでしたね。何か御用ですか。 譯者。あのロビンソンですね。あれがこれまで翻譯にはなつてゐましたが皆文語體ですから、今度口語體に譯したのです。そこで序文を一つ書いてお貰ひ申したいのですが。 主人。さうですか。どうも忙しくて、序文なんぞは書いてゐられませんがなあ。 譯者。併しわ
文字遣い
旧字旧仮名
初出
「漂流物語ロビンソン・クルーソー」富田文陽堂、1911(明治44)年5月10日
底本
- 鴎外全集第八卷
- 岩波書店
- 1972(昭和47)年6月22日