たんじゅんなしけいをおもう
単純な詩形を思う

冒頭文

極めて単調子な、意味のシンプルな子守唄(こもりうた)が私の心を魅(み)し去ってしまう。そして、それをいつまで聞いていても、私は、この子守唄を聞くことに飽(あ)きない。しかも、それを歌っているものが、無智の田舎娘であるなら、なおさら好い。 青い海のような空に、月が出て、里川縁(さとかわふち)の柳の木の枝についている細かな葉が、風に戦(そよ)いで、うす闇の間から、蝙蝠(こうもり)が飛び出て来

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 定本小川未明童話全集 3
  • 講談社
  • 1977(昭和52)年1月10日