せいしゅん けんじるし(ろうごくにて) |
青春 献じる詩(牢獄にて) |
冒頭文
(若き日の孤独を灼きつくす情熱を われらに与えよ われらをして戦いに凍えたる手と疲れたる唇に 友を亨けしめよ 銀の鉛屋根の上に 朽葉色の標燈の照らす夜を われらの老いたる母のひとり眠る時 明るき原と自由なる槌を、こゝに 赤きプラカードのごとく われらと共に擁する友を亨けしめよ 牢獄! 崩れた喜びと愛と思い出の蘇る日 友と生活の悦びを 金盞花えの雑りけなき接吻と共に 鉄色の
文字遣い
新字新仮名
初出
底本
- 槇村浩詩集
- 平和資料館・草の家、飛鳥出版室
- 2003(平成15)年3月15日