きとう ――じょじょうしょうきょく――
祈祷 ――敍情小曲――

冒頭文

黄菊はすでに散つてしまつた 漕手よ 船路を遠くかへつてくる時 さびしい海鳥はますとに飛びかひ 日は憂鬱の浪にただよふ。 漕手よ はや君の家の窓に燈火(あかり)はつけられ 妹はひとり庭にたたずむ 漕手よ、祈祷せよ。

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日