とかいといなか
都会と田舎

冒頭文

ひとり私のかんがへてゐることは、 もえあがるやうな大東京の夜景です、 かかるすばらしい都會に住んでゐる人たちは、 さかんなもりあがる群集をして、 いつも磨かれたる大街道で押しあひ、 入りこみたる建築と建築との家竝のあひだにすべりこむ、 そこにはさびしい裏町の通りがあり、 ゆがんだ酒場(バアー)の軒がごたごたと混みあつてゐる、 だぶだぶとながれる不潔な掘割、 煤煙ですすぼけたその附

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日