ふうし ―にんぎょししゃのひとたちにあたう―
諷詩 ―人魚詩社の人たちに与ふ―

冒頭文

友だちはひどく歪んだ顏をしながら、 虱(しらみ)に向つて話をした。 『虱や、ご生だからたからないでおくれ、 私にしつつこくしないでおくれ、 おまへはほんとに不愉快だ』 そして痒いところへ手をやらうともしなかつた。 この友だちは聖人だ。

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日