ふぶき
吹雪

冒頭文

わが故郷前橋の町は赤城山の麓にあり、その家竝は低くして甚だ暗し。 ふもとぢに雪とけ、 ふもとぢに緑もえそむれど、 いただきの雪しろじろと、 ひねもすけふも光れるぞ、 ああいちめんに吹雪かけ、 吹雪しかけ、 ふるさとのまちまちほのぐらみ、 かの火見やぐらの遠見に、 はぜ賣るこゑもきれぎれ、 ここの道路のしろじろに、 うなゐらのくらく呼ばへる家竝に、 吹雪かけ、 吹雪

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日