みがかれたるきんぞくのて |
| 磨かれたる金属の手 |
冒頭文
手はえれき、手はぷらちな、手はらうまちずむのいたみ、手は樹心に光り、魚に光り、墓石に光り、手はあきらかに光る、ゆくところ、すでに肢體をはなれ、炎炎灼熱し狂氣し、指ひらき啓示さるるところの、手は宙宇にありて光る、光る金屬の我れの手くび、するどく磨かれ、われの瞳(め)をめしひ、われの肉をやぶり、われの骨をきずつくにより、恐るべし恐るべし、手は白き疾患のらぢうむ、ゆびいたみ烈しくなり、われひそかに針をの
文字遣い
旧字旧仮名
初出
底本
- 萩原朔太郎全集 第三卷
- 筑摩書房
- 1977(昭和52)年5月30日