ひかるふうけい
光る風景

冒頭文

青ざめしわれの淫樂われの肉、 感傷の指の銀のするどさよ、 それ、ひるも偏狂の谷に涙をながし、 よるは裸形に螢を點じ、 しきりに哀しみいたみて、 をみなをさいなみきずつくのわれ、 ああ、われの肉われをして、 かくもかくも炎天にいぢらしく泳がしむるの日。 みよ空にまぼろしの島うかびて、 樹木いつさいに峯にかがやき、 憂愁の瀑ながれもやまず、 われけふのおとろへし手を伸べ、 しき

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日