けっとう
決闘

冒頭文

空(そら)と地(つち)とに緑はうまる、緑をふみてわが行くところ、靴は光る魚ともなり、よろこび樹蔭におよぎ、手に輕き薄刃(やいば)はさげられたり。ああ、するどき薄刃(やいば)をさげ、左手をもつて敵手(かたき)に揖す、はや東雲(しののめ)あくる楢の林に、小鳥うたうたひ、きよらにわれの血はながれ、ましろき朝餉をうみなむとす。みよ我がてぶくろのうへにしも、愛のくちづけあざやかなれども、いまはやみどりはみど

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日