わかきあまたちのあゆむみち
若き尼たちの歩む路

冒頭文

この列をなす少女らのため、 うるはしき都會の窓ぞひらかるる、 みよいまし遠望の海は鳴りいで、 なめいしを皿はすべりて、 さかづきは歩道にこぼれふんすゐす。 こはよき朝のめざめなり、 をとめらのさんたまりやの祈祷なり、 みな少女、 素足あしなみそろへ行く手に、 ちよこれいと銀紙に卷かれ、 くだものは竝木の柵に飾られぬ。 ああ、いづこぞ夢の序樂のぽろねえず、 會社は河岸に涙をひ

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日