そうしゅん
早春

冒頭文

なたねなの花は川邊にさけど 遠望の雪 午後の日に消えやらず 寂しく麥の芽をふみて 高き煉瓦の下を行く ひとり路上に坐りつつ 怒りに燃え この故郷(ふるさと)をのがれいでむと 土に小石を投げあつる 監獄署裏の林より 鶫ひねもす鳴き鳴けり (滯郷哀語篇より)

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日