あきのひ
秋の日

冒頭文

眼を惱(なや)む山雀(やまがら)の 愁を分けて、秋の日 乳母(うば)の里、梨寺に 稚日(ちじつ)想(おもひ)をなやみぬ 花びら 地に落つる音 芥子(けし)ちるか 秋なるに はた山なるに いと淋しや 宵(よひ)、また籠をいだいて 憂(うれ)ひぬ、鳥の病に ああ疑ふ 死せざらんや、いかで さて風ふかば、いかで 聞かざらんや 豆の葉の鳴る日を 野面(のもせ)、雪に埋れし

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日