へびいちご
蛇苺

冒頭文

實は成りぬ 草葉かげ 小(ささ)やかに 赤うして 名も知らぬ 實は成りぬ 大空みれば 日は遠しや 輝輝たる夏の午(ひる)さがり 野路に隱(かく)れて 唱ふもの 魔よ 名を蛇と呼ばれて 拗者(すねもの)の 呪(のろ)ひ歌(うた) 節なれぬ 野に生ひて 光なき身の 運命(さだめ)悲しや 世(よ)を逆(さかしま)に 感じては のろはれし 夏の日を 妖艷の

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日