こはい
古盃

冒頭文

小人若うて道に倦(う)んじ 走りて隱者を得しが如く 今われ山路の歸さ來つつ 木蔭に形(かた)よき汝をえたり。 表面(おもて)は蛟龍雲を吐(は)いて 神有(じんう)の祕密をそめて見るや 裏面(うら)には伶人額(ぬか)をたれて 物思(ものも)ひ煩ふなよび姿 才華悧悧たる眼(まな)ざしには 工匠(たくみ)が怨(うら)みもこもりけんよ。 こは君逸品(いつぴん)古色ありと 抱いて歸れば

文字遣い

旧字旧仮名

初出

底本

  • 萩原朔太郎全集 第三卷
  • 筑摩書房
  • 1977(昭和52)年5月30日