かけす
懸巣

冒頭文

何時か懸巣(かけす)のことを本紙で書いたことがあるが、その後の彼女の真似声(まねごえ)は一層種々につかい分けをして、殆ど、かぞえ切れないくらいである。懸巣から見ると人間の声ほど珍しいものがないらしい、大きな人間を毎日籠の中にいて見ていると、とても変化があって面白いらしい。たとえば私のくせである二つ続いた咳をごほんごほんと遣(や)るのを聞いていて、その二つ続きの咳の真似をするのである。咳というものが

文字遣い

新字新仮名

初出

底本

  • 日本の名随筆2 鳥
  • 作品社
  • 1983(昭和58)年4月25日