ヴェスヴィオさん
ヴエスヴイオ山

冒頭文

ポンペイの街をやうやく見物してしまつて、午(ひる)過ぎて入口のところの食店(レストラン)で赤葡萄(ぶだう)酒を飲み、南伊太利(イタリー)むきの料理を食べて疲れた身心を休めてゐる。それから、此処(ここ)で発掘した小さい瓶子(へいし)などを並べて売るのをのぞくが、値が相当に高いので買ふ気にならない。 そこに、数人の導者が来て、ヴエスヴイオ登山をすすめて止まない。此処から登山するとせば、驢馬(

文字遣い

新字旧仮名

初出

「思想」1929(昭和4)年5月

底本

  • 斎藤茂吉選集 第九巻 随筆
  • 岩波書店
  • 1981(昭和56)2月27日