みつのあわれ
蜜のあわれ

冒頭文

一、あたいは殺されない 「おじさま、お早うございます。」「あ、お早う、好いご機嫌らしいね。」「こんなよいお天気なのに、誰だって機嫌好くしていなきゃ悪いわ、おじさまも、さばさばしたお顔でいらっしゃる。」「こんなに朝早くやって来て、またおねだりかね。どうも、あやしいな。」「ううん、いや、ちがう。」「じゃ何だ。言ってご覧。」「あのね、このあいだね。あの、」「うん。」「このあいだね、小説の雑誌巻頭にあたい

文字遣い

新字新仮名

初出

「新潮」1959(昭和34)年1月~4月

底本

  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1993(平成5)年5月10日