とうこのにょにん
陶古の女人

冒頭文

きょうも鬱々(うつうつ)としてまた愉しく、何度も置きかえ、置く場所をえらび、光線の来るところに誘われて運び、或いはどうしても一個の形態でさだまらない場合、二つあてを捉え、二つの壺が相伴われて置かれると、二つともに迫力を失うので、また別々に引き放して飾って見たりした、何の事はない相当重みのある陶器をけさからずっと動かしつづめにいた。かれらは最後に三つあてに据えられ、それを四個に集めてながめることは出

文字遣い

新字新仮名

初出

「群像」1956(昭和31)年10月

底本

  • 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
  • 講談社文芸文庫、講談社
  • 1993(平成5)年5月10日