フレップ・トリップ
フレップ・トリップ

冒頭文

フレップの実は赤く、トリップの実は黒い。いずれも樺太(からふと)のツンドラ地帯に生ずる小灌木の名である。採りて酒を製する。所謂(いわゆる)樺太葡萄酒である。 揺れ揺れ帆綱よ 心は安く、気はかろし、 揺れ揺れ、帆綱(ほづな)よ、空高く…… おそらく心からの微笑が私(わたし)の満面を揺り耀(かがや)かしていたことと思う。私は私の背後に太いロップや金具

文字遣い

新字新仮名

初出

「女性」プラトン社、1925(大正14)年12月号~1927(昭和2)年3月号

底本

  • フレップ・トリップ
  • 岩波文庫、岩波書店
  • 2007(平成19)年11月16日